「不妊治療クリニックの看護師はどんな仕事をするのか分からない」と一歩踏み出せずにいませんか?

晩婚化や少子化などの影響から令和4年4月より高度な不妊治療も保険適応となり、患者さんへの看護がますます求められています。

産婦人科などで働いたことがない看護師でも、不妊治療クリニックで働くことで専門性を高められるかもしれません。

今回は、不妊治療クリニックでの看護師の仕事内容ややりがい、大阪でおすすめのクリニックなどをご紹介します。

不妊治療クリニックとは?

不妊治療クリニックとは「妊娠を希望しているにも関わらず妊娠の兆候がないカップルに対して治療する専門施設」です。

産科や婦人科と兼ねて不妊治療に対応している医療機関もありますが、不妊治療クリニックは生殖医療に特化して高度な診療を行っています。

そのため、看護師はより専門的な視点をもち、体外受精や顕微授精などの高度な治療を受ける患者さんに関わります。

不妊治療クリニックで働く看護師の仕事内容

不妊治療クリニックの看護師は、以下のような業務を行います。

  • 診察・内診の介助
  • 注射・採血
  • 採卵や胚移植などの手術介助
  • 手術前後の点滴・状態観察・サポート
  • 薬や検査などについての説明
  • 相談・精神的サポート
  • 医療機器や薬剤・物品の管理 など

不妊治療クリニックでは多くの患者さんに対応するため、診察が長引きやすくなります。そのため、予め問診するなど診察をスムーズに進めることは看護師の重要な役割です。

患者さんは治療内容や頻回な通院などにより身体的・精神的にストレスを抱きやすくなります。看護師は患者さんの気持ちをいち早く汲みとり、不安を軽減できるように声掛けや情報提供を行うことも大切です。

大阪の不妊治療クリニック看護師の平均給与

大阪の不妊治療クリニックの平均給与は、常勤看護師で月収25〜32万円、非常勤看護師で時給1700〜2300円です *1

不妊治療は保険適応の検査・治療もありますが、先進医療など保険対象外のものも多くあります。また、患者数も多く、クリニックの収益は比較的安定しているでしょう。

そのため、不妊治療クリニックの平均給与は、夜勤がないため病棟看護師よりは少なくなりますが、他の診療科クリニックと比べるとやや高くなっています

不妊治療クリニックで働く看護師のやりがいは?

看護師が仕事にやりがいを感じる点は人によってさまざまですが、不妊治療クリニックならではのやりがいがあります。

  1. 生殖医療の専門性を高められる

不妊治療クリニックでは生殖医療に特化した知識が求められます

検査や治療法などは日々進歩しているため、看護師は専門的な知識・技術を習得して、患者さんに分かりやすく伝えることが大切です。

助産師や産婦人科で働いたことがない看護師でも、不妊治療クリニックの求人は多く出ています。そのため、学ぶ意欲があれば、看護師として専門性を高めていけるでしょう。

  1. 夜勤がなくワークライフバランスを保ちやすい

不妊治療クリニックは夜勤がないため、ワークライフバランスを重視したい人におすすめ。子育てや介護などで日中のみ働きたい人でも無理なく働けます。

ただし、不妊治療は排卵日などによって治療日をずらせないため、平日の遅い時間や日曜祝日も診療しているクリニックもあります。その場合は、シフト制での勤務となるため、転職先を選ぶ際には事前に確認しておきましょう。

  1. 妊娠を希望したときから妊娠初期までの患者さんをサポートできる

妊娠を希望されている患者さんを身体的・精神的にサポートできます

不妊治療では検査や治療について不安を抱く患者さんも多くいます。看護師は分かりやすく説明するなど身体的・精神的にサポートすることが大切です。

患者さんの中には治療がうまくいかずに落ち込んでしまう方もいるため、看護師は信頼関係を築き、心理的にサポートすることも重要です。

治療が成功した際には、患者さんと一緒に喜び、達成感を味わえるでしょう。

大阪の看護師におすすめできる不妊治療クリニック3選

大阪府には現在、不妊治療クリニックが34ケ所 *2 あり、今後も増えていくことが予想されます。クリニックによって特徴が異なるため、自分に合った職場を探しましょう。

ここでは、大阪で不妊治療の実績や評価が高く *3、専門的な資格を有する看護師が多いなどの点から、看護師におすすめの不妊治療クリニックを厳選してご紹介します。

  1. 高度な生殖医療と統合医療を行っている「IVFなんばクリニック」

IVFなんばクリニックは高度生殖医療と統合医療でアプローチしている病院です

大阪府では他に2施設をもつ最大規模の不妊治療クリニック。最先端の技術を取り入れ、治療の実績も高い病院です。

心理カウンセリング、栄養、運動、東洋医学、補助医療などを組み合わせた方法で心・体づくりをしているのも特徴。

不妊症看護認定看護師が3名在籍しており *4、先輩看護師から多くを学べる職場といえるでしょう。

  1. 府中病院と連携し男女ともに安心安全に治療する「府中のぞみクリニック」

府中のぞみクリニックは府中病院と連携しながら男性不妊と女性不妊に対応しています。

高度生殖医療を行い、カップルを取り巻く要因すべてを考慮した全人的医療を理念にしています。和泉市では数少ない不妊治療クリニックの一つです。

府中病院と連携しているため、合併症を抱えている人や男性への診察・治療、緊急時の入院などの体制が整っています。

不妊症看護認定看護師が2名在籍しており *5 、患者さんに寄り添った看護を大切にしています。

  1. 患者さんとの対話を重視して高度生殖医療を行う「春木レディースクリニック」

春木レディースクリニックは患者さんとの対話を重視しています

「100人の患者様がいれば100通りの治療がある」というポリシーを持ち、結果につなげる高度生殖医療を行っています。

不妊カウンセラーの資格をもっている看護師が4名、心理士などが10名在籍しており *5、豊富なカウンセリングを備えているのも特徴。

患者さんを心理面から手厚くサポートしたい人に向いているでしょう。

不妊治療看護師としてスキルアップできる資格

不妊治療看護師は、日々進歩する検査や治療法などを学び続けることが求められます。スキルアップの一つとして次のような資格取得を目指すことも可能です。

  1. 生殖看護認定看護師

生殖看護認定看護師は、生殖看護の分野で専門性を発揮しながら看護の実践・相談・他の看護師への指導を行います

これまで「不妊症看護認定看護師」という名称でしたが、分野再編により2021年度以降に新課程を修了し認定された者は「生殖看護認定看護師」となります。

日本看護協会の認定資格で、現場のスペシャリストといえるでしょう。

  1. 不妊カウンセラー

不妊カウンセラーは、患者さんが最適な治療を選択できるように適切な情報提供・心理カウンセリング・研究活動を行います

日本不妊カウンセリング学会の認定資格で、患者さんを心理的にサポートする専門家です。

  1. 体外受精コーディネーター

体外受精コーディネーターは、体外受精や顕微授精などの高度生殖医療を受ける患者さんに対して、専門的な情報提供・意思決定支援・ケア・研究活動などを行います

日本不妊カウンセリング学会の認定資格で、高度生殖医療において患者さんや医療職種間をつなぐコーディネーターです。

まとめ

不妊治療を受ける患者さんが増えている中、不妊治療クリニック看護師は専門性を発揮して患者さんをサポートする役割があります。

助産師や産婦人科で働いた経験がない看護師でも、学ぶ意欲があれば働くことが可能です。自身の妊娠や出産または不妊治療などの経験を生かし、患者さんに寄り添った看護を実践することもできます。

さまざまな特徴をもつ不妊治療クリニックがあるため、どのような看護をしたいのかをイメージして、自分に合う職場を探してみましょう。

*1 各看護師求人サイトの掲載より独自に算出したもの

*2 参考:不妊治療情報センター

 (2023年10月時点。体外受精などの高度生殖医療を行っている医療機関を集計)

*3 参考:ファミワン「不妊治療net」

*4 参考:日本看護協会「認定看護師登録者一覧」

*5 参考:日本不妊カウンセリング学会「不妊カウンセラー・体外受精コーディネーター(IVF)名簿」

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