看護師の夜勤はバタバタと忙しく、仕事が終わる頃にはヘトヘト…まっすぐ家に帰ってひたすら寝るという人も多いことでしょう。しかし、「いくら寝ても疲れがとれない」「夜勤明けはどのように過ごすのがよいのかな?」と悩んでいる人も少なくありません。
今回は、夜勤明けの過ごし方や疲労回復のコツなどについてご紹介します。
夜勤明けは寝ない方がいいの?寝すぎるとよくない2つの理由

夜勤明けは疲れと睡魔におそわれて、日中から夜まで寝てしまうという人も多いのではないでしょうか?
しかし、夜勤明けの日中にしっかりと寝ることはあまりおすすめできません。なぜなら、日中に寝過ぎてしまうと、疲れがとれにくくなってしまうからです。夜勤は体に大きな負担がかかっているので、夜勤明けに大切なのはしっかりと体力を回復させること。
夜勤明けにずっと寝てしまうとよくない2つの理由をもう少し詳しくみていきましょう。
理由1:サーカディアンリズムが乱れる
もともと体に備わっているサーカディアンリズム(概日リズム)。それによって、体内時計は一定に保たれ、昼間に活動して夜は眠くなるように調整されています*1。
しかし、夜勤のある看護師は仕事中に光刺激を受けることで、体内時計が少しずつズレてしまいます。それに加えて、夜勤明けの日中に長時間寝てしまうと、体が夜だと勘違いしてしまい、体内時計はさらに乱れてしまうのです。
すると、夜眠らなければならないときに眠れなくなり、疲れが残ってしまう可能性があります。
理由2:夜の睡眠の質が下がる
夜勤明けにしっかり寝たとしても、日中は音や光による刺激を受けやすく、眠りが浅くなる傾向にあります。
また、日中に仮眠を長くとると夜になっても眠くなりにくく、睡眠の質が低下してしまうことに。そのため、体がしっかりと回復できず、翌日に疲れが残りやすくなってしまいます。
疲労回復を効果的にするためには、夜勤明けの仮眠は長くならないようにして、夜に質のよい睡眠をとることが大切です。
夜勤明けは何時間寝る?理想的な睡眠時間とは
では、夜勤明けの日中に寝るとしたら、どれくらいの睡眠時間がベストなのでしょうか?
夜勤明けの疲れを効率よくとるためには、日中の仮眠は2時間程度にとどめるのが理想的です。
睡眠のサイクルは、ノンレム睡眠とレム睡眠を合わせて1クール90分ほど。そのため、いったん深い眠りに入って、脳がリフレッシュする2時間程度の仮眠であれば、体力が回復してスッキリと目覚められます。体内時計も大きくズレずに、夜にぐっすりと眠れるでしょう。
仮眠から目覚めるときに「まだ寝ていたい」と思うかもしれません。その際には、翌日に疲れがとれて快適に過ごせることをイメージしましょう。そうすることで、前向きに目覚められるはず。体を動かしてストレッチしたり、顔を洗ったりすると、体も心もスッキリするのでおすすめです。
悪循環になる!?夜勤明けでやってはいけない5つのNG行動

看護師の仕事柄、緊張感やストレスから、夜勤明けに疲れがドッと出てしまうことも少なくありません。しかし、夜勤明けについとってしまう行動が、疲れを回復しづらくしてしまうことがあるので注意が必要です。
- 強い光を浴びる
夜勤明けは日中の明るい時間に帰宅しますが、強い光を浴びるのは好ましくありません。
体内時計はおよそ26時間。普段生活している24時間周期とは微妙にズレがあります。このズレをリセットしているのが光なのです。
夜勤明けに強い光を浴びてしまうと、体は覚醒モードになり、体内時計はさらに乱れてしまうことに。そして、体を休めたくてもしっかり休まらずに、疲れがとれにくくなってしまいます。
夜勤明けに帰宅する際には、サングラスや日傘を使ってなるべく光を浴びないようにしましょう。
- 寝る前のカフェイン
夜勤明けの日中に仮眠する前や夜寝る前に、カフェインをとることはおすすめできません。
カフェインには覚醒作用があります。また、カフェインは体内に長くとどまり、半減するまでの時間は平均して4時間(人によって2〜8時間)*2。そのため、寝つきにくくなるだけでなく、眠りの質を悪くしてしまうのです。
とくに、コーヒーやエナジードリンクなどの飲み物は夜勤明けに飲むのは避けましょう。
- 寝る前のアルコール摂取
仕事中の緊張をほぐしストレス発散するために、アルコールを飲む人もいるかもしれません。
たしかにアルコールにはリラックス作用がありますが、寝る直前にたくさんの量を飲んでしまうと眠りを浅くしてしまうことに。すると、寝ても疲れが残りやすくなります。
ホッと一息つきたいのであれば、アルコールではなくハーブティーなどを飲むのがおすすめです。
- 激しい運動や長時間の外出
忙しい夜勤から解放されて、運動や外出で気分転換したい人もいることでしょう。
しかし、激しい運動や長時間の外出は好ましくありません。なぜなら、夜勤で頑張った体をさらに疲れさせてしまい、質のよい睡眠を妨げてしまうためです。
翌日以降、元気に過ごすためには、夜勤明けは体をリカバリーすることを優先して。軽いストレッチや散歩程度にしておくのがおすすめです。そうすることで、パワーチャージされて、目覚めた後にハツラツと過ごせるでしょう。
- 不規則な食事と食べ過ぎ
夜勤明けは疲れがたまっていることから食欲が乱れやすく、つい食べすぎてしまう人も少なくありません。
しかし、高カロリーな食べ物や暴飲暴食はおすすめできません。夜勤で体が疲れている状態のため、消化に悪いものを食べると胃腸に負担がかかってしまいます。そして、睡眠の質を下げてしまうのです。
疲れを回復させるためには、野菜スープやうどん・雑炊など、消化にやさしい食事をとることを心がけましょう。
疲れた体をうまくリフレッシュ!夜勤明けの過ごし方3つのコツ

夜勤明けの過ごし方を少しだけ工夫すると、疲れをうまく回復させて体調を整えやすくなります。夜勤明けに取り入れたいおすすめの過ごし方のコツをご紹介します。
- ゆっくり入浴して夜は早めに就寝する
緊張して疲れた体と心を癒すのに効果的なのが入浴。夜勤で疲れすぎて帰宅後はシャワーで済ませてしまう人もいるかもしれませんが、一息つくためにもぬるめのお湯(38〜40℃)にゆっくりと浸かりましょう。
血行がよくなり緊張した筋肉がほぐれるため、リラックス作用や睡眠の質を向上する作用が期待できます。
頑張った自分をいたわるように、湯船の中で頭や体を軽くマッサージすると、体の凝りや痛みをやわらげるのに効果的です。
- 軽めのストレッチを取り入れる
夜勤明けにストレッチなどの軽い運動を取り入れると、疲れが軽減して体調を整えやすくなります。
軽めの運動をすると、血行がよくなり、体がリフレッシュ。ネガティブな気持ちから解放されて、前向きな気持ちになれるはずです。
ストレッチやヨガ、軽めの散歩など、心地よいペースで行うことで心も体もリラックスできます。
- 栄養バランスのとれた軽い食事をする
夜勤明けに疲れを回復するためには、栄養バランスのとれた軽めの食事が大切です。
胃腸に負担をかけないような消化のよい食べ物に加えて、疲労回復のために取り入れたいのがビタミンB群(ビタミンB1など)やタンパク質。
ビタミンB1は糖質をエネルギーに変換し、疲労回復に欠かせない栄養素です。豚肉やうなぎ、大豆製品、ナッツなどに多く含まれています。
タンパク質は筋肉の修復に役立ち、疲れを回復させてくれます。また、肉・魚・卵・大豆製品などは、セロトニンの材料になる「トリプトファン」を多く含んでいるため、精神的な疲れを回復させたり睡眠の質を向上させたりするのに効果的です。
疲れたときこそリカバリーに欠かせない栄養素をとり、翌日から元気に過ごしましょう。
夜勤明けは睡眠の質をアップして疲れをうまくとりましょう
生活リズムが乱れやすい夜勤明けは、疲れた体を休めて、調子を整えることが大切です。
夜勤による疲れや眠気から日中に寝過ぎてしまうのは、睡眠の質を悪くしてしまい疲労回復には逆効果!日中に仮眠をとる場合は2時間程度にとどめておくと、夜に質のよい睡眠がとれて疲れをしっかりと回復できます。
夜勤明けの翌日から元気に過ごすために、自分なりの過ごし方を見つけてみましょう。
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出典:
*1 健康日本21アクション支援システム〜健康づくりサポートネット〜「体内時計」
*2 食品安全委員会「食品安全委員会が収集したハザードに関する主な情報」