「訪問看護はどんな仕事をするの?」「訪問看護は未経験なので仕事をこなせるか不安」と悩んでいませんか?

高齢化にともない、在宅医療や訪問看護のニーズが高まっています。しかし、訪問看護の具体的な仕事は見えづらく、未経験の看護師は働くことに躊躇してしまうことも。訪問看護の仕事内容について知ることで、転職の一歩を踏み出せるかもしれません。

今回は、訪問看護の仕事内容や働くために知っておきたいことをご紹介します。

未経験で訪問看護師になるには?必要な資格は?

訪問看護で働くためには「正看護師」または「准看護師」の資格があればOK。訪問看護師のほとんどが訪問看護の分野は未経験の状態からスタートしています。

訪問看護では、一般的に「臨床経験2〜3年以上」の看護師が望ましいといわれてきました。最近では、自宅で暮らしたいという高齢者が増え、在宅医療や訪問看護のニーズが増加*1 。そのため、新卒や経験の浅い看護師でも就業可能な訪問看護ステーションが増えています。

訪問看護の仕事内容

訪問看護では次のような仕事を行います。

  • 健康状態の観察(バイタルサイン・血糖測定など)
  • 医師の指示による医療処置(点滴・カテーテル管理・褥瘡処置・服薬管理など)
  • 日常生活のサポート(食事・入浴・排泄介助など)
  • 認知症ケア
  • リハビリ
  • ターミナルケア
  • ご家族への相談やアドバイス

基本的な看護技術スキルがあれば、訪問看護が未経験でも十分に対応できます。利用者さんの要介護度や生活環境は異なるため、個々のニーズにあわせて柔軟に対応することも大切。

利用者さんには、医師・ケアマネジャー・訪問介護士・理学療法士などの多職種が関わります。周囲の人と相談・連携するために、良好なコミュニケーションをとることを心がけましょう。

訪問看護の1日のスケジュール

訪問看護の1日のスケジュール例をご紹介します。

1日の訪問件数は、常勤看護師1人あたり4〜5件程度。訪問時間は、利用者さんの要介護度や病状などによって1回30〜90分程度です。

訪問看護の移動手段は、都市部では自転車、地方などでは車が多いようです。自動車の運転免許をもっていない人や運転に自信のない人は、求人先の移動手段について忘れずに確認しましょう。

訪問看護での平均給与

訪問看護での看護師の平均給与は、夜勤がない分、病院看護師よりはやや低くなる傾向があります。

日本看護協会の調査によると、訪問看護ステーションで働く常勤看護師の平均月収は36万7775円。しかし、日勤のみの働き方であるクリニック(診療所)や介護施設と比べると、訪問看護師の給与はやや高くなっています。*2 

基本給や手当は訪問看護ステーションのある地域や運営主体などによっても異なるので、複数の求人先を比べて検討しましょう。

病棟勤務とは異なる?訪問看護で働くために知っておきたい5つのこと

未経験から訪問看護で働くときには、病棟勤務とは異なる点に不安を感じてしまうもの。訪問看護で安心して働くために、あらかじめ5つの点を知っておきましょう。

1. 看護の目的は「治療」ではなく生活を支える「ケア」

病院看護と訪問看護では目的が異なります。病院では、病気を治すための検査や治療が優先。訪問看護では、介護を必要とする利用者さんが在宅で暮らし続けられるように支援します。

在宅では食事や買い物・入浴などが利用者さんの体調に直結することも。訪問看護師は健康面に異常がないかアセスメントしたり医療処置を行ったりするだけでなく、生活や介護についてのアドバイスやご家族の精神的ケアなどを行うことも大切です。

2. 利用者さん1人にじっくり関われるが、時間管理はやはり必要

バタバタしがちな病院看護とは異なり、訪問看護では利用者さんにじっくり関われます

訪問時間内は利用者さんに1対1で対応するので、未経験の看護師でもケアに集中できます。ただし、次の訪問が控えており、時間内にケアを終わらせることには注意が必要です。

利用者さんの生活に密着して関わるため、家族のような信頼関係がうまれることも。利用者さんが喜ぶ様子や感謝の言葉を伝えられることに、看護師として大きなやりがいを感じることでしょう。

3. 働きはじめは同行訪問で少しずつ慣れていける

訪問看護では、はじめの数ヶ月は先輩看護師の訪問に同行し、少しずつ慣れていけるのが特徴です。

まずは先輩看護師の訪問を観察し、手技やコミュニケーション方法を学びます。次に、先輩看護師の見守りのもとでケアを実践。何度か経験を積み、最終的に1人で訪問します。

わからないことがあっても先輩看護師に確認しながらスキルを向上できるので、訪問看護が未経験の人や子育てなどでブランクがある人でも安心して働けます。

4. 基本的に1人で訪問、先輩看護師に相談しながら進められる

訪問看護は基本的に看護師1人で訪問しますが、未経験の人にとっては不安や戸惑いを感じてしまうもの。しかし、決して孤独な仕事ではありません。

現場で困ったことがあればすぐに先輩看護師に電話で相談したり、訪問看護ステーションに戻ってから他のスタッフと話し合ったりすることも可能です。

現場に出向くのは1人でも、チームで利用者さんを支える安心感を得ながら働けます

5. 夜勤はなくライフスタイルにあわせた働き方ができる

訪問時間は日中に定まっているため、基本的に土日休みで夜勤や残業はありません。訪問看護は規則的な勤務であり、生活のリズムが整いやすい仕事です。

利用者さん1人あたりの訪問時間は決まっているため、時短や週2〜3日などのパート勤務を募集する事業所も多いようです。

子育て中やプライベートの時間を充実させたい人でも、自身のライフスタイルにあわせて働けます。

訪問看護の職場探しでチェックしておきたい3つのポイント

訪問看護にはさまざまな職場があります。自分にあう職場を見つけるために、チェックしておきたいポイントを知っておきましょう。

1. 訪問看護ステーションの体制や利用者層

訪問看護ステーションによって利用者さんの人数や重症度は異なるため、対応体制や利用者層などを確認しましょう。

判断のポイントの一つは常勤看護師の人数です。常勤看護師が5人未満の小規模な訪問看護ステーションは4.5割ほどあり*3 、次のような特徴があるといえます。

  • 小規模な訪問看護ステーション

…スタッフ間のコミュニケーションがとりやすくアットホームな雰囲気。一方で、オンコール対応など看護師1人にかかる負担が大きく、勤務の融通がききにくい。

  • 大規模な訪問看護ステーション

…働き方の融通がきき、幅広いニーズの利用者さんの受け入れ可能。一方で、利用者さんの人数が多いため、夜間の緊急対応が多く発生する。

もう一つのポイントは専門分野に特化しているかどうかです。訪問看護ステーションによって次のような専門分野に力を入れている場合があります。

  • 精神科
  • 小児看護
  • ターミナルケア
  • 機能強化・リハビリ

自分のこれまでの経験や希望にあう職場を見つけましょう。

2. 未経験の看護師への教育制度

訪問看護が未経験の看護師がチェックしておきたいのは教育体制です。

事業所によっては手厚い教育を実施していないことも。訪問看護が未経験で不安が大きい人は、研修・教育プログラムやマニュアルが整っている事業所をおすすめします。

求人票やホームページなどに載っていなければ、担当者に直接聞いたり職場見学したりすると、現場の雰囲気もよくわかります。

3. 訪問看護のオンコール体制の実際

訪問看護のオンコールとは、利用者さんの緊急事態に備えて業務時間外に自宅などで待機すること。オンコールは当番制で対応しますが、事業所によって人員体制が異なります*3

  • 1人体制
  • 2人体制(メインとサブ)

2人体制の場合「オンコールが多いときや万が一のときに頼れる人がいる」という安心感はありますが、オンコール待機する日数が増えてしまうデメリットも。自分のライフスタイルにあう勤務体制であるか、しっかりと確認しておきましょう。

未経験でも大丈夫!訪問看護に勇気を出してチャレンジしよう

訪問看護は正看護師(准看護師)の資格があれば、未経験でも少しずつ慣れていける仕事です。「看護がしたい」「利用者さんをサポートしたい」という気持ちや訪問看護について学ぶ姿勢があれば、看護師として十分に活躍できます。

事前の情報収集をしっかりとして、自分にあう職場で訪問看護をはじめてみましょう。

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*1 参考文献:厚生労働省・第182回社会保障審議会介護給付費分科会「資料3 訪問看護」

*2 参考文献:日本看護協会「2021年看護職員実態調査」

*3 参考文献:日本看護協会「2024年度 診療報酬・介護報酬改定等に向けた訪問看護実態調査」

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